ここは王宮内の謁見室。 一段高くなった台座にこしらえた御座の上から、今年で十七になる姫様の声が降り注いだ。 僕は片膝をついて平伏したまま、次の言葉を待つ。 王族特有の威厳に満ちた空間に、あまりにも不似合いな静寂が広がる。 そんなどうにも形容しがたい空気の中、僕は磨かれた床を見つめていた視線をそっと上げる。そして真摯な目で姫様を仰ぎ見ながら、きっぱりと言い放つ。
声は冷たく、顔は赤くなっていました。私はひどく落ち込んでいる状態だった。自分がこんなに弱くなるとは想像もできませんでした。
かぐや姫は最高のお姫様でした。彼女は私のお姫様で、どうやってお返ししたらいいのか考えられませんでした。私は役立たずの男になっていました。
彼女を愛していても、彼女の幸せを願っていても、彼女を助けられるのは自分しかいないと思っていても、自分は無力だった。
結局、私は絶望に負けてしまい、何もできずにここに座っているのです。
それでも、私は彼女の幸せを願っていました。
私は泣くことができなかった。
涙を流せば、恩知らずな男だと思われてしまう。彼女に弱い男だと思われたくなかった。
思いやりのない人間だと思われたくなかった。
何もできない人間だと思われたくなかった。
私は彼女に、私が死んだ人間、あるいは私の人生が無意味なものだと思われたくない。
私は彼女に、私がそばにいてあげられなかったために死んでしまった人だと思われたくありません