釈迦じゃあるめーし、目の前のもん、全て救えるとでも思ってたのかよ。幾ら骨くだこーが、救えるもんもありゃ救えねーもんもある。だからなんだ。そんなもんで折れる程、お前さんの生き方は、もろいもんだったのか。
“私もあなたと同じです。私もあなたと同じで、日々、困難に直面し、それをどう克服するかを考えています。邪魔者がいないことが証明されているのに、まだ邪魔者がいると思っているようですね。だから、試されてよかったと思いますよ。もし、あなたが永遠に耐えることができていたら、みんなを救うことができたでしょう」。
2人はしばらく沈黙していた。”では、今は何をしているの?” 慎がようやく言った。
「休暇だよ」とクロタンは言った。「自分が生きていた場所に戻るんだよ。僕は死んでしまったけど、まだ記憶がある。その記憶を取り戻せばいいんだよ」。
シンは、同じゾンビからそんなことを言われるのはおかしいと思いながらも、とりあえずクロタンの話を聞いてみることにした。”そうか、シンちゃんがいなくなるのは寂しいけど、ここにいないのは寂しくないな”
“そうだね “とクロタンは言った。”俺は戻ってくる。そこで会おう。それまでは、遠くから見守っているよ」。
慎は墓地から歩き出した。通りには誰もいなかった