イスラエルの歴史家で哲学者でもあるユヴァル・ノア・ハラリは、世界的ベストセラー『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』で、7万年前の認知革命によって花開いた人類の歴史は、500年前の科学革命によって終止符が打たれる可能性を説いた。果たしてハラリの目にはどんな新境地が映っているのだろうか。全4回にわたるシリーズ初回は、彼のヴィジョンからわたしたちが直面する3つの脅威を探る。
1. 新たなフロンティア。人工知能の脅威
“機械知能革命は人類史上最も重要な出来事になるかもしれない “とユバル・ノア・ハラリは著書 “The Age of Em “の中で書いている。
栄えあるローマ賞とジョージ・ポーク賞を受賞したこの本は、発売初月に世界的なベストセラーとなり、今もなお売れ続けています。ニューヨーカー紙は表紙の宣伝文句で、この本のタイトルを「宗教的権利に対する宣戦布告」と宣言している。
ハラリは宗教の将来については全く心配していません。彼の最大の関心事は、機械知能の結果です。彼によると、世界はすぐに人工知能に支配されるようになる可能性があり、どんな人間の仕事でも人間よりも優れていて安価に実行できるようになるという。
例えば、ロボットが野球のバットのより良いバージョンを設計して作ることができるようになる。あるいは、より多くの人を収容できる家のより良いバージョンを作ることができる。あるいは、より速く、より安く、より良い車のバージョンを設計して作ることができます。