学校
今まで以上に自分の肌に馴染むようになった男、坂中。
坂中は自分のことを、人の顔を見て興奮するような人間だとは思っていない。
(徳井)そうじゃないですよね (馬場園)そうですよね
(徳井)自分が女性に惹かれていることについては、とても率直に言っていましたよね。
自分は無性愛者だと言っていました
でも今は?自分の肌の感触で心臓の鼓動が激しくて、坂中は自分をコントロールするのがやっと。
来店してくれてよかったと思ってますよ 来てくれなかったら こんなに恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなかったのに
(馬場園)まだバスローブ着てるし 水着の下に胸を隠してますよね まだ誰も中に入れようとしない
まだ誰ともキスするのを恐れている。
“一人で外を歩くのが怖い
拒絶を恐れている
(徳井)店員さんが帰ってきた時には もう 我慢できないんですよね (馬場園)そうですね
あたたかく迎えてくれるが、その笑顔は小さくて弱くて、坂中には理解できない。
彼は知らない人と一緒にいても平気な人ではない。今までもそうだった