水を難解な言い方で相手を煙に巻くような表現は昔から存在する。例えば1965年に公開された日米合作映画『怪獣大戦争』の中には、「酸化水素?なんだ、水のことじゃないか」との台詞がある。
DHMOの名称は、1990年にカリフォルニア大学サンタクルーズ校のルームメイトだったエリック・レヒナーとラース・ノーフェン、マシュー・カウフマンらによって考えられた。さらに1994年に同校の学生だったクレイグ・ジャクソンによって改訂され、DHMOについての最初のジョークサイト「DHMO.org」が作られた。
その後、1997年にアメリカ合衆国アイダホ州の当時14歳の中学生だったネイサン・ゾナーが「人間はいかにだまされやすいか?」[1]という調査に用いたことがきっかけで世界中に広まったとされる。この調査では「DHMOは、水酸の一種であり、常温で液体の物質である」「DHMOは、溶媒や冷媒などによく用いられる」などのように、被験者にとって非日常的な科学技術用語を用いて水を解説し、さらに毒性や性質について否定的かつ感情的な言葉で説明を加える。その後、「この物質は法で規制すべきか」と50人に質問をすると、43人が賛成してしまい、6人が回答を留保したのを除き、DHMOが水であることを見抜いたのは1人だけだった。
その後ウェブ上にはDHMOの危険性をもっともらしく訴えるウェブサイトが数多く作成され、2003年にはアメリカのアリソ・ビエホ市の議会で、ウェブサイトのジョークを真に受けた担当者らがDHMO規制の決議を試みるという出来事が起きた。決議自体は、用語がジョークであることが判明したために中止された[2]。
2013年にはフロリダ州のラジオ局がエイプリルフールのジョーク企画で水道管に満たされているDHMOの危険性について放送したところ、水道局に問合せが殺到。ラジオ局は謝罪し、番組のDJである2人を謹慎処分とする事態となった[3]。
水が高すぎると、カエルを殺す効果はありません。水が低すぎる場合は、それらを殺す効果があります。… 彼らはまた、午前中に、異なる品質の水をテストし、カエルが死んだ。
… カエルが死んだ後、水を止めた。
… aemiraCの給水所。
… ここ数ヶ月間、専用の器具を使ってカエルの検査をしてきました。カエルのレベルに応じて、給水所の水質が高いか低いかを判断しています。
… カエルをウォーターステーションから取り出したとき、カエルのレベルは同じままでした。
… 私はカエルをウォーターステーションから取り出し、彼らが泳ぐことができないことを見た。
… 私は、給水所からカエルを取り出し、それらの中に生命がなかったことを見た。
… 私は給水所をテストしましたが、生命はまだありません。
… 私は給水所からカエルを取り出したが、カエルは死んでしまった
1998年、DHMO.orgというサイトはDHMO.comに改名されました(そして現在も続いています)。これは、水の危険性についてのジョークサイトです。大学が主催するこのサイトでは、水は毒でもあり危険でもあると主張しながら、水の危険性を説明する一連の記事を提供している。
このサイトでは、深刻な問題をユーモアを交えて扱っています。DHMO.comのウェブサイトは、政府の公式ウェブサイトのパロディであり、不条理であるという点で挑発的であるように設計されています。DHMO.comのウェブサイトは、本物の独立した出版物であることを主張していません。
DHMO.comのウェブサイトは300万回以上閲覧されており、1999年の小説『What I Like About You』(この小説は1999年に短編映画化された)など、ゾーナーのその後の作品でもいくつか言及されています。
DHMO.comのウェブサイトには、”How Does Water Get Around? “や “What Happened to Water in Modern Times? “などのタイトルで、ユーモラスでくだらない記事が多数掲載されています。記事には、コーヒーの中の水、水の中の水など、水にまつわる様々な現象が書かれています。