また、細胞の中には、ミトコンドリアという小器官が、数多く(細胞全…

また、細胞の中には、ミトコンドリアという小器官が、数多く(細胞全体の10~20%程度)存在しています。ミトコンドリアは酸素呼吸を行っており、食べものから取り出した栄養と、呼吸によって得た酸素を使って、ATPという細胞の活動に必要なエネルギーを作り出します。ATPは「生体のエネルギー通貨」と呼ばれています。
新しく元気なミトコンドリアが細胞内にたくさんあればあるほど、たくさんのエネルギーを得られ、人は若々しく、健康でいられるわけですが、オートファジーによって、このミトコンドリアも新たに生まれ変わります。
古くなったミトコンドリアは、大量の活性酸素を発生させるのですが、オートファジーによって細胞が新しく生まれ変わることで、活性酸素の量が減り、体へのダメージを軽減できます。
オートファジーがもたらしてくれる恩恵は計り知れません。細胞が生まれ変われば、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、細胞や組織、器官の機能が活性化し、病気になりにくく若々しい体になるのです。
2016年には、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、オートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しています。オートファジーは今、世界中の注目を集めているといえるでしょう。

オートファジーは、損傷した古いミトコンドリアを一掃し、新たに合成された新しい健康なミトコンドリアのためのスペースを作る特別な、短期的なプロセスです。
このプロセスは約3~4時間かかり、アミノ酸のL-アルギニンによって活性化される酵素AMPKによって引き起こされます。
酵素AMPKは、オートファジーを制御する細胞の細胞質内の多くの遺伝子を連鎖反応で活性化させます。これらの遺伝子には、細胞シグナリングの活性を制御する遺伝子(細胞骨格タンパク質の接着や輸送など)、細胞増殖を制御する遺伝子(細胞周期制御、細胞分裂、遺伝子発現のための遺伝子など)、オートファジーを制御する遺伝子などがあります

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