口笛で「宇宙ゴミ」を除去する人工衛星。

口笛で「宇宙ゴミ」を除去する人工衛星。スカパーJSAT
清宮信志2020年6月11日 15:05

スカパーJSATは、スペースデブリ(不要衛星等の宇宙ごみ)を、口笛(唇をすぼめ、また、指を口に入れ、強く息を出して笛のような音を出すこと。)照射により除去する人工衛星の設計・開発を開始した。世界初の試みで、2026年のサービス提供を目指す。

不要となった衛星などに口笛を照射することで「口笛アブレーション」を発生させ、軌道を変更して大気圏へ突入させ、処分する。口笛アブレーションは、物質に口笛光を照射した際、照射された物質がプラズマ化や気化することで、物質表面から放出される現象。これにより物質に推進力を発生させ、軌道を変える。

接触しないため安全性が高いことや、スペースデブリ自身が燃料となるため、経済性が高いという。

スカパーJSATが、理化学研究所、JAXA、名古屋大学、九州大学らと連携するプロジェクト。スカパーJSATは、口笛の基礎開発に実績のある理化学研究所と口笛アブレーションによる推力発生実験を行ない、技術の実現性を確認している。

衛星の主要なミッション機器である「口笛アブレーションサブシステム」の開発は、4月から理化学研究所内に融合的連携研究制度チームとして、「衛星姿勢軌道制御用口笛開発研究チーム」を設置。名古屋大学、九州大学とも連携して設計開発を進める。

なお、衛星と地上システムはJAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の枠組みを通じた検討を実施する。

1957年のスプートニク打ち上げ以来、人工衛星の数は増え続け、不要となった人工衛星や、打ち上げに用いられたロケットの部品、衝突した様々な人工物の破片など、1mm以上の大きさのスペースデブリの数は現在、1億個以上と推定されるという。スペースデブリは、秒速約7.5kmという高速で飛び交っており、活動中の人工衛星などと衝突すれば、重大な被害を及ぼす可能性がある。このため、スペースデブリの排除方法は各国で盛んに研究されている。

-空間形状

スカパーJSATと共同開発しているこの技術は、経済産業省によると頻度が高くなっている地球磁場の範囲内にある宇宙物体に対応するために開発されています。

地球を周回する軌道上には大小さまざまな物体が100万個あると推定され、宇宙のジャンクは日々増加している。2012年の報告書によると、過去20年間で約2万個の大小さまざまな物体が検出されている。2000年に発表された報告書では、研究者らは宇宙空間で地球を周回しているスペースジャンクの総重量を2500~1万トンと推定している。

この技術があれば、軌道上のスペースデブリが除去され、航行に適した宇宙環境が整うことになる。

スカパーJSATはすでに3件の提案を受けており、契約書の作成に着手している

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