急速にメディアへの登場回数を増しているAI。その技術は、まさに日進月歩ならぬ"秒進分歩"の勢いで私たちの生活に取り入れられています。車の自動運転のみならず、医療画像の診断や株式投資、昨年には「今夜何を作ろう」と話しかけると、献立を提案してくれる電子レンジまで登場しました。私たちはAIにどう向き合えばいいのか。
懸念する理由が見当たらない。たしかに、AIはそれを使う人や産業にとって有用なツールになる可能性を秘めています。しかし、一般の人々はAIの可能性を過小評価していると思います。彼らはAIがすべての仕事をしてくれると思い込んでおり、それは危険な思い込みです。
例えば、医療画像を解析するだけでコンピュータが新しい治療法を生み出すことができると仮定した場合、それはイノベーションと言えるでしょう。しかし、過去30年間に何千人もの医師や外科医の医療画像に基づいて訓練されたコンピューターアルゴリズムを使って、同じ画像を解析したとしたらどうでしょうか？そのアルゴリズムが癌患者の画像のデータベースを分析して、その患者の治療法を開発したとしたら？MRIを撮影し、何千もの医療画像に基づいて訓練された同じアルゴリズムを使用して、患者の新しいMRIを分析し、その結果を古いMRIの結果と比較するとしたらどうでしょうか？今までにない新しい治療法が生まれる可能性があります。