童謡についてあれこれと調べ始めたのは、ちょうど前任地の鹿児島を離…

 童謡についてあれこれと調べ始めたのは、ちょうど前任地の鹿児島を離れ、現在の職場である立教大学に移ってきた二〇一三年頃からである。それまでもっぱらインターネット時代の先端的な音楽文化現象を研究テーマとしていた私が、童謡という一見まったく方向性の違うテーマに取り組む決心をしたのは、ある時期から「童謡」なるものとの付き合いが急に深くなったからだ。
 何があったのかといえば、まあ実にありきたりな話ではあるのだが、自分が子供を持つ父親になったという点に尽きる。二〇〇八年生まれの長女を先頭に三人の子宝に恵まれたことで、童謡と接する機会が格段に増えたのだ。だが自分の少年時代から数えてはや三十年、腹の出た中年となって久々に再会した童謡は、思いもよらない当惑を私にもたらす謎めいた存在になっていた。

それまでは暇さえあれば童謡を書いていたのですが、今回、数年ぶりに大作に挑戦することになりました。その結果、2015年に出版された『赤ちゃんの新しい物語 』という本で、これもすべて一人で書き上げました。そこで、自分がどんな本を書きたいのかを考えたときに、”New Story “というコンセプトを思いつきました。
 
  最初は、自分の本についての、単純なアイデアでした。赤ちゃんのことを書きたいと思っていたので、赤ちゃんを主人公にするには、童謡を使うのが一番です。しかし、そのアイデアはすぐに、教師、子供の両親、老人の両親など、他の多くのキャラクターを含む、より大きくて深い本へと変わっていきました。非常に意欲的な作品です。
 
  この物語の主人公は、田舎の神社に親に捨てられた赤ん坊の「中尾」です。ご推察の通り、彼は穏やかで甘えん坊で心優しい赤ちゃんで、「おとめ」という女の子にとても恋をしています

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