柔らかい風が吹いています。

柔らかい風が吹いています。
大きな羽毛布団のように、体全体を押すような力強さをもって
風が吹きます。
喜びと悲しみが均等に光に照らされ、薄く光を通し、
再び私の心へと戻ってゆきます。
春は訪れました。
私の心とは無関係に、無遠慮に、この世を作り替えてゆきます。

春は最も美しい季節です。
木々や草の葉が花を咲かせ始めています。
摘み取る準備ができているのです
期待に満ちた空気が漂っています。
あと数日で、美しい女の子が生まれます。
その子はとても輝いていて、私はその子が放つ愛に圧倒されることでしょう。
花も、木も、草も、すべてが花開く。
そして、彼女は空を歩き始めます。
“私は・・・とても幸せです。”
なぜか、声が出ない。
話す相手がいなくて、落ち込んでいます。
悲しい。
胸が重くなる。
牢屋に閉じ込められているような気がして、自分を引き上げようとする。
しかし、指一本動かすことはできない。
手を動かすことなど考えられません。
私は体を動かしたくありません。
体を動かしたくない。
こんなに痛い思いをしたのは初めてだ。
私はこの牢獄から脱出することを考えていた。
こんなに痛い思いをしたのは初めてです。
“体を動かしたくない”
そのことをもう一度考えてみる。
不思議な感覚だ。
まるで木の梁に鎖でつながれているような不思議な感覚だ

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