「アイカ」あたしが呼ぶとアイカは、なあにって笑って、駆け寄ってくる。

「アイカ」
あたしが呼ぶとアイカは、なあにって笑って、駆け寄ってくる。防波堤に腰掛けて語り合うのがあたしたち、いつのまにか習慣みたいになっていた。アイカは白いセーラー服がよく似合う娘で、あたしは自分の白いだけのワンピースを着たあたしがちょっと、恥ずかしい。アイカがペットボトルのサイダーの蓋を開けて、ぷしゅっと軽い音、それから、ぷつぷつと泡だつような音がする。
「ひまわりちゃん」

「 あ、盗み聞きしてすみません。」 (愛佳)
「 いえ、ただ清楚な方だなと思っただけです。」 (直美)
「 うーん、いつものことなら違和感ないんだけどな。」 (愛佳)
リンゴは『ひまわりちゃん』と呼ばれる木の実ですが、彼女だけがその実を作る特殊能力を持っています。私が知っているのはそれだけです。
おしゃべりを続けているうちに、お互いのことがよくわかってきました。愛花は私にかなり興味を持っていて、私がこの能力をどのように使うのか楽しみにしていました。彼女のお父さんは、私と同じように高位の冒険者だったそうです。都に来たばかりの頃は少し悩んでいたようですが、今ではすっかり馴染んでいるようですね。
すでに都内を移動できるレベルになっているので、今回の旅にも連れて行こうと思っている。
もっとも、彼女を都に同行させるつもりはありません、邪魔になると思うからです。
私たちを連れてきたのは、彼女に怖がらせる理由を与えたいからです

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