あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそ…

あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。 またそのなかでいっしょになったたくさんのひとたち、ファゼーロとロザーロ、羊飼のミーロや、顔の赤いこどもたち、地主のテーモ、山猫博士のボーガント・デストゥパーゴなど、いまこの暗い巨きな石の建物のなかで考えていると、みんなむかし風のなつかしい青い幻燈のように思われます。では、わたくしはいつかの小さなみだしをつけながら、しずかにあの年のイーハトーヴォの五月から十月までを書きつけましょう。

早春にまず注目すべきは、異常に強い太陽が窓から直接差し込んで、あたり一面を巨大なオレンジ色の球に変えていることだ。雲はなく、薄い金色の靄(もや)がかかっているだけだ。気持ちいい。通りの光は暖かく、木々は緑や黄色に輝き、空気は澄んでいて、私の寝室の空気は冷たく息苦しい。私はゆっくりと窓際に歩いて行き、新しい環境を眺めた。そこは平凡な、それほど広くない庭で、大きな家へと続いていた。それは石造りで、白く滑らかだったが、外側は大きな赤い防水シートで覆われていた。家は小さく、庭は200メートル余りの長さだった。

私は玄関に立ち、庭を眺めた。小さな家はまだ見えたが、まるで庭の真ん中にあるかのようで、まさにそこに留まっていた。私は家と防水シートを見て、その真ん中に何かあることに気づきました。まるで人が描いたような絵だった。それは絵や写真ではなく、もっとしっかりした、何か金属でできたもののようでした。それはとても薄く、その両脇にもう一つ、白い金属の物体がありました。私はその物体をドアだと思いました。家の中にある他の物を見てみると、その物を際立たせていたのは、重い真鍮のドアでした。ドアには鉄の鋲が2つあり、それが一番変わったところだった。また、ドアにはいくつもの穴が開いており、これも珍しいものだった。その家の周りには、同じような建物があり、防水シートで覆われていた。目の前の家は、小さなホテルのようだった。この通りには、他に建物はない。

私は、一番近い建物の屋根に上って、外を見た。小さな庭があり、小さな家があった。庭は街角にあるものと似ていたが、家は全く違っていた。石造りで、とても大きな屋根がありました。屋根の厚さはドアと同じくらいで、同じような赤と白の防水シートで飾られていた。その防水シートはとてもきつく編まれていて、表面はとてもざらざらしていました。庭の端には、とても大きな扉のようなものがありました

Photo by Peter R Steward

この作品の出来はいかがでしたでしょうか。ご判定を投票いただくと幸いです。
 
- 投票結果 -
よい
わるい
お気軽にコメント残して頂ければ、うれしいです。