若い男だった。

 若い男だった。
 シャツにジーンズのラフな格好で、携帯電話を見つめている。長髪を頭の後ろで束ねているが、その髪が汚らしい印象を与えていた。茶色で、艶がなく、束ねたゴムから幾筋も毛が跳ねている。
 そんなことより安田の目を惹いたのは、男が両肩に担いでいる巨大なリュックサックだった。
 姿をよく観察したのは、習性のようなものだ。

男は2人と目が合った後、振り向いた。後頭部には黒い羽根が突き出ていた。
振り返った男は、他の二人に気付いたようで、優しい声で話し始めた。
『 え?どうしたんだ?』 (春人)
『 あ、ごめんなさい、安田さん。何と言っていいのかわかりませんが。』 (誠)
『 私は日本に住んでいたことがあります。でも、やっと日本に来れたんだよね。』 (Makoto)
『 はい。東京に『新世界』という新しいお店ができたようです。まだオープンして2日しか経っていないんですよ。』 (誠)
『 そうですか。私は日本に来たばかりなんですね。それで、あなたは東京に来た人ですね。』 (誠)
『 そうです。私はこの店のマネージャーです。』 (真琴)
『 そうですか、店長なんですね。それはいいですね、私も雇おうと思っていました。』 (真琴)
『 いえ、そうではありません。安田さん、すみません。でも、どう言えばいいのかわかりません。日本では、日本語を理解できない人はお店に入れません。』 (誠)
『 そうなんですか。だから、はっきり言って、私は英語がそんなに得意ではありません

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