目が覚めると、そこは海の上だった。穏やかな波の上のヨットにひとり横たわっている僕。穏やかな波の揺らぎ。そして強い日差しが僕の目蓋を開かせた。「ここはどこ？」。服も眠りに落ちる前のままだし、ポケットの中の財布もそのままだ。全く身に覚えないヨット。
“夢の中を漂っているような感じで、どんどん軽くなっていくんです。目覚めようとしても、うまくいかない。目を開けようとしますが、うまくいきません。動き回ろうとしても、すべてがぼやけている。めまいがして、頭が痛くなってくる。怖くなってきました。そして、目を開けてみる。私は海の中にいるのかどうか確かめようとする。海の中を泳ぎ始める。ついに海から出てきました。街が見えます。自分がどこにいるのか思い出せません。私は自分がどこにいるのか思い出そうと必死になっています。周りを見回しても、自分がどこから来たのか思い出せません。きっとどこかの海の中にいるんだと思います。潜水艦に乗っているような気がする……」。
数時間後、ホテルにたどり着いた私は、ホテルのスタッフから電話番号を教えてもらった。電話をかけてみると、男が出た。彼の名前は「アル」。彼は言った。「君を空港に連れて行くよ。受付でホテルの部屋番号を聞いてから、空港に送ってもらうのだ