波ひとつない湖に映り込んだ、赤と黄色の樹々。

波ひとつない湖に映り込んだ、赤と黄色の樹々。湖面が鏡のように穏やかで、じっと見ているうちに縦に見たらいいのか、それとも横から見るべきなのか、なんだか不思議な気分になってくる。

素晴らしい色のコントラストを生み出しているのは、あのメープルシロップをもたらしてくれる砂糖カエデの木。その原生林があるのは、世界的にもカナダのケベック州とオンタリオ州、それにアメリカの一部などに限られている。

だから砂糖カエデの樹液を煮詰めて作るメープルシロップは、世界全体の90%がカナダで生産され、このうち85%をケベック産が占めているんだ。

でも実はこれ、本当に不思議なことだと僕は思っている。

考えてもみてほしい。カナダという国は、いわゆる「インディアン」と呼ばれる先住民の人たちが暮らす土地に、フランスやイギリスの入植者がやって来たところから始まった。

入植者たちが最初に拠点を築いた場所が、今のケベック・シティ。フランス人の手によって建設された木造の砦の周囲には、なぜか世界でも限られたエリアにしかない砂糖カエデの樹々が生い茂り、その樹液が極寒の冬を越すのに欠かせないエネルギー源、「砂糖」をもたらしてくれたなんて。

これは本当に単なる偶然なんだろうか。それとも、遠い未来のカナダの建国を願った、神様からのプレゼントだったんだろうか。

氷点下なんて当たり前のこの土地で、よそ者である入植者たちは冬を越す術を持たなかった。雪の上を移動する方法も、寒さから足を守る靴の作り方も、冬の間のエネルギー源の確保の仕方もー。しかし彼らは、先住民の人たちから甘い樹液の存在を教えてもらうことによって、厳しい冬をなんとか生き抜くことができたんだ。

だから僕は、もし砂糖カエデがなかったら、メープルの甘さがなかったら、カナダという国が建国されるほどに人は集まらなかったんじゃないかとさえ思っている。

フランス人が初めて砦を築いたのがケベックの地で、そこにはなぜか砂糖カエデの原生林が広がっていて、そこに暮らしていた先住民の人たちが親切にも樹液の甘さを教えてくれたー。

こんな偶然と幸運が重なって、1867年のカナダ建国へと続く、その第一歩が踏み出されたんだと思う。だから僕は、カナダはまぎれもなく「メープルの国」だと思っている。

そして、カナダの人たちはこれでもか、というぐらいにメープルが大好きだ。日本人の目から見ると、彼らの「メープル愛」はもはや異常と言ってもいいぐらいだ。

でも僕には、メープルがなかったら生き抜けなかったというDNAが、カナダの人たちの「メープル愛」につながっているように思えてならない。だから僕は、メープルをこよなく愛するカナダの人たちを「メープルの子」だと思っている。

メープルの国・カナダが2017年、建国から150年という節目の年を迎える。だからこの機会に、みんなにメープルについてもっと深く、もっと広く知ってもらいたいと思っている。

実は、僕は何度もカナダを旅するうちに、結構メープルについて詳しくなってしまった。その結果、今ではなぜか、かなり多くの時間、メープルについて考えるようになった。

スーパーとか輸入食品の店に入ると、置いてあるメープルシロップのラベルを確認しては、「これはちょっと」とか、「なかなかいいのを置いてるなあ」とか、ブツブツつぶやいたりしている。いや、声には出さない、心の中でのことだ。不審者だと思われる。

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“The last thing you want is to be a victim of a trap “とは、G.W.ブッシュ元アメリカ大統領の言葉です。しかし、罠?まあ、それだけ大きな罠が存在し、それが天敵の中でも最も強力で、最も危険な存在であるという事実は避けられません。

その代表格がダイオウイカである。ダイオウイカは現存する最大の動物であるだけでなく、地球上に生息していた動物の中でも最も大きい。ギネスブックによると、ダイオウイカの触手の長さは17メートル(56フィート)もあります。そして数ヶ月前、ダイオウイカが世界中で話題になりました。

一時は絶滅したと思われていたこのイカは、深海の奥深くに巣を作っているのが発見され、その数は10万匹と推定されています。すごい数の触手ですね。

私たちがダイオウイカに群がられる日を正確に予測できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。でも、それが計画なのだ。

[…]

“彼らは本当に危険です。人を捕まえることができる。

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