辺りに立ち込めるむせ返るほどの甘い香りがゆっくりと脳髄を焦がして…

辺りに立ち込めるむせ返るほどの甘い香りがゆっくりと脳髄を焦がしていく。
何があっても屈しない筈だったのに、どうしても抗うことができない。

“あぁ…はぁ…”
私は男の首を噛みたい衝動に駆られていた。
“あ~~~…あ~~~…”
でも、どう考えても、彼の首には届きませんでした。
彼の首に届かない。
届かなかったのだ。私が男だったら、彼の首筋を見つけることができるはずなのに。
“あ~~~、あ~~~。あ~~、あ~~、あ~~。首がきつい・・・あ~・・・”
首筋に血が通っている感覚がしてきた。
それが攻撃の最初の兆候だったので、私は大丈夫なはずだ。
しかし、その痛みがあまりにも大きすぎることに気づくのに時間はかからなかった。
私の腕はゆっくりと引っ張られ、首の後ろの肉は黒い刃に押しつぶされていた。
私は地面に押し付けられていた。
“あ~~~。あ~~~。アッ…アッ…アッ…アーン~~。”
私は必死に体を動かそうとしたが、なかなか動かない。
男の頭は私の背中に埋まり、銃の頭は私の首に埋まっていた。
私は押しつぶされた。
男の銃は私の腹にあった。
私は銃の頭で押しつぶされた。
もし私が男だったら、自分の身は自分で守れるはずだ。
もし私が男だったら、自分を守ることができるはずだ。

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