「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊つるした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指さしながら、みんなに問いをかけました。 カムパネルラが手をあげました。それから四五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのままやめました。たしかにあれがみんな星だと、いつか雑誌で読んだのでしたが、このごろはジョバンニはまるで毎日教室でもねむく、本を読むひまも読む本もないので、なんだかどんなこともよくわからないという気持ちがするのでした。
この1週間、ニュースを見ていたら、日本の多くの人が、好奇心と少しの恐怖心が入り混じった気持ちで、関東大震災を見守っていたことでしょう。私たちの中に、その影響を直接受けた人がいるかどうかはわかりません。いずれにしても、このことがきっかけとなって、日本は訪れるのに安全な場所なのか、あるいはどこに住むのが安全なのかということが議論されています。多くの人が、「日本に行って、この国の強い文化的伝統を利用して、楽しい時間を過ごしたいと思っているが、地震の発生している地域に近づくのは怖いから」と話しています。
しかし私は、日本とアメリカ（あるいはイギリス、フランス、ドイツ）を単純に比較したほうが、より有益で簡単だと思いますし、そのほうが、より多くのことを知ることができます