この世界の果てでまた夢が語られる。少女の名はセクサリス。失われた記憶を歌う物語。遥か遠い昔に滅びた星。記憶は人の形を持つ。この世界の果てまで流れて落ちた。仮象の魂。内なる声。自分を確立する為の記憶。巡る夢を見る。遠くずっと遠く。まだ見ぬ場所。無数に光る物語の欠片を探す。深い空の底の様に限りなく蒼い記号の海。
行かなければならない。誰かのところに行かなければならない。
真実を直視できなければ、生きている意味がありません。自分の力に頼っていては誰も救えない。私は危険だ。私はお荷物です。
そろそろ辞めようかな。
私はお荷物です。
刀に手を伸ばすと、突然の音が耳に飛び込んでくる。
武器として振られていた剣が、まるで投げられたように逆に投げられる。
それは私の腰にある。
もはや、力強さすら感じられない。
“ごめんなさい!”
全速力で走る少女に声をかけるが、彼女は私の言葉を断って駆け寄ってくる。
それと同時に、敵の力が押し寄せてくる。
“You’re no goodee.”
“大丈夫だよ。私があなたを救います”
私の目の前にいる少女は、どこか懐かしい雰囲気を漂わせている。黒髪の少女である。
“アラ?あの、アヤ?”
アヤ。私と一緒にいる女の子。彼女は私より少しだけ若い。彼女は私の妹のようなものだ。
“大丈夫だよ。死なないから」。
“え?”
私に声をかけた少女は傷だらけだ。
彼女は敵に襲われたのだ