少女の夢から記憶を読む。星の音を静かに紡ぐ。時と時の狭間の彼方で詩人が歌う。砕け散る世界。滅びた星。儚い故に美しい夢。揺蕩い巡る。蒼いこの世界の果て。魂の色を記憶から描き出す。夜の来ないこの場所。ゆっくりと欠片を集める。
結局、世界が夢であれば、彼女は目を覚ますことができません。現実の世界はありません。
彼女は無の世界に一人取り残されることになる。
彼女がそれに気づく瞬間。
“私は世界の唯一の希望”
“私はこの世界を救える唯一の人間だ”
“私たちは何人いるの?”
“私たちの数が減れば、この世界は壊れてしまう”
彼女は唯一無二の存在だった。この惑星で最も強力な人間。これは彼女が知っていることです。
唯一の存在。この世界を救う力と能力を持っている唯一の人。
彼女がずっと前に失ってしまった世界を。
“私は最強だ。世界を救うことができる最強の存在。この世界を救えるのは俺だけだ。”
心のどこかで、何かが彼女に信じてはいけないと言っている。
これが彼女の生き方なのだ。これが彼女の責任だ。
世界は救われない。
彼女は世界を救うべきではない。
彼女にできることは何もない。
希望がない。
彼女にできることは何もない。
彼女の意識は体から離れていった