まともに考える事が出来ない藤弥は、麗奈の前で木の床に両膝をついた。

まともに考える事が出来ない藤弥は、麗奈の前で木の床に両膝をついた。
すると麗奈は羽織っているマントで藤弥を包み込んだ。
暗いマントの中、目の前にはセーターに包まれた麗奈の胸がある。
麗奈がマントごと藤弥の頭を抱きしめると、藤弥の顔は麗奈の胸の谷間に押し付けられた。
セーターから麗奈のいい香りが漂う。

そうして、2人はようやく頭を整理することができた。
– レナがそばにいてくれればそれでいいのだ。
そう思っていても、やはり逃げ出したくなった。
それは、頭の中に激しい痛みがあるからだった。
痛みに慣れてしまった彼は、頭が働かなくなってしまったのだ。
– 自分でレナを捕まえられるはずだったのに。
ここまでは、自分の力をすべて出し切った。
しかし、これだけのことで頭が働かなくなるほどに。
しかも、敵を倒すほどの力はなく、逃げても死んでしまうのである。
しかし、レナがそばにいてくれれば、人生は大きく好転するだろう。
– だからこそ、あなたにお願いしたいのです。
傍にいてほしいと言われれば、彼女は間違いなく同意するだろう。
もし彼が彼女に側にいて欲しいと頼んだら、彼女は絶対に同意するだろう。
傍にいてほしいと言われても、レナは絶対に納得する。
だから、今度は「そばにいてください」ともう一度お願いした。
– 私と別れたくないのなら、変なことをしないで

Photo by denisbin

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