麗奈は羽織っているマントで藤弥を包み込んだ。

麗奈は羽織っているマントで藤弥を包み込んだ。
暗いマントの中、目の前にはセーターに包まれた麗奈の胸がある。
麗奈がマントごと藤弥の頭を抱きしめると、藤弥の顔は麗奈の胸の谷間に押し付けられた。
セーターから麗奈のいい香りが漂う。

美味しそうな香りを楽しんでいるかのように、不二家の顔はさらに真っ赤になった。
レナはこれを受け入れられなかった。
あまりにも多くのことがあった。
あまりにも酷すぎる。
レナは目をぎゅっと閉じた。
彼を守らなければならない。
何があっても、彼を守らなければならない。
愛する人を守らずして、レナを守ることはできないのだ。
レナは耐えがたい緊張感に襲われた。
それに耐えるのが精一杯だった。
彼が襲われているときに、これほどまでに感じたことはなかった。
レナは拳を握りしめ、体を震わせた。
右手に力が入らなくなった。
彼を守れない限り、彼女は諦めるだろう。
彼を守ることができなければ、自分を見失ってしまう。
レナは目を閉じた。
悪くない考えだった。
レナは目を大きく開いた。
彼女は引き下がろうとした。
しかし、これからどうしようかと考えると、何か不安になってきた。
それは、この状況に慣れてしまっているからかもしれない。
彼を守れなかったわけではない。
愛する人を失ったことがないからだ。
それは藤屋も同じだった

Photo by U.S. ARMY FORT HUACHUCA

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