伝統工芸についての考え方、日本の伝統工芸の歴史、日本各地にある経済産業大臣指定伝統的工芸品、産業として見た伝統工芸などについて概説しています。基本的な思想としては、大量生産の画一性ではなく、歴史や風土による個性、そして個々の職人の手仕事による個性にこそ伝統工芸の魅力があること――と同時に、これからの伝統工芸は、伝統的技術をしっかり伝承していくとともに科学的知識を適切に取り入れ、時代や消費者のニーズに応えて発展していくべきことを説いています。
科学としての日本の工芸。 日本の伝統工芸への新しいアプローチ (ペンギンブックス、2006年)
石川 哲夫
石川哲夫(いしかわ・てつお)東京都生まれ、東京大学工芸学部教授。 著書に『日本の工芸とその人びと』(1961年)などがある。 1966年から1972年まで日本工芸会議会長。
著書に『工芸、日本の歴史と文化』(オックスフォード大学出版局、2002年
石川哲夫の著書は、日本伝統工芸史である。 最古の時代から現在に至るまでの様々な伝統工芸品の産業とそれを取り巻く文化を記述しようとしている。 工芸の歴史、発展、日本社会における職人の役割、工芸の社会的文脈、そして最後に工芸そのもの、製品、消費者について述べている