マチルドと初めて会ったのは1985年のパリであった。彼女は自閉症を患いつつも、図書館司書として生活の糧を得ていた。すでに両親は他界しており、親しい友人もなく、天涯孤独の身の上であった。彼女のタスクはいかにしてすべての行為を日常化していくか、その一点にあった。あれは5月の薫風が吹くリヨン駅。コルシカ旅行を終えてマルセイユ経由でパリに入った僕との運命的な出会いであった。
私はまだ20代後半で、ガールフレンドとその家族とパリに行くためにアメリカを離れたばかりだった。私たちは叔母のマージョリーと弟のジョンの家に滞在していたが、彼らの息子も自閉症だった。私は簿記の仕事をするために家を出たばかりだった。そこに着くと、図書館で働いていたマチルドに会った。私は彼女を脇に連れて行き、「私の名前はジョン、こちらはマチルド。私たちはただ友達になりたいだけなの。そして、あなたが良い人間になるように手助けしたいんです」。 マチルデは心を奪われた。彼女はしばらく考えてから、「私たちは特別な存在だと思う」と答えた。そう、私たちは特別なの」。 翌日、彼女は私に尋ねた。私は 「メジエール 」と答えた。近くに学校はありますか?私は近くに学校があることを告げた。彼女は「ええ、私と同じ建物に住んでいるわ」と言った。 それがマチルデとの出会いだった。 マチルデには兄がいて、彼女は「ジャズ」と呼んでいた。マチルドは彼女の 「友達 」で、ジャズは彼女の 「兄 」だった。ジャズも自閉症で、とても騒がしいアパートに住んでいた。彼は友達を作ることができなかった。ひとりでいることさえできなかった。 マチルデと私がそんな話をしている間、マチルデは図書館で期末試験の勉強に追われていた。ある日、マチルドが手にバスケットを持ってやってきた。それは本でいっぱいだった。彼女は私に持ち帰る本を尋ねた。私は、彼女に持って帰ってほしい本があると言った