翌日、実技の授業では、クラスメイト達からいつもの罵声が飛んできた。「頑張れよぉ?ピエピエお嬢様ァ!もう泣きの一回は使えねぇぞぉ?ていうか一昨日の授業で魔力切れちゃって魔法出なくて泣いちゃうんじゃねぇの〜?一日寝込んでも回復してねぇんだろ〜?」「はいはい\"アンチマテリアルスピア\"」 轟音を響かせ、私のたった一言で放たれた魔法は、ターゲットを射抜き、後ろの石壁を射抜き、大穴を開けてしまった。「なっ……!?」 たった一日で大幅に威力の上がった私の魔法に、クラスメイト達も先生も一様に目を丸くする。 抑えたつもりだったけれど、多量の魔力を使う事自体に慣れていないせいか、想定以上の威力が出てしまった。 その事について、呼び出されたりなどはせず、しっかりと採点はされたものの……。「ほら、あの子よ……」 廊下を歩けばヒソヒソとあちこちから囁き声が上がる。「新型のドーピング薬を持っている」「悪魔に魂を売った」などなど、残念ながら当然にもそんな噂が流れ始めてしまった。「箱入りの世間知らずでもお貴族なら手ェ出さねえだろそういうの……」「逆になんでもやる主義なんじゃね?はー貴族恐ろし」 憶測ばかりの囁きを背に、さっさと廊下を渡って家路につく。 家と言っても寮の部屋、私の帰りを待つ人は基本的にいない。「おかえり〜」でも今は違う。
悪魔であり、彼女は処刑されるのだと。魔女だから処刑される、という噂だった。そしてその噂は国中に広まっていった。悪魔が彼女の地域のすべての魔女のもとを回って魂を売っているという話もあった。魔女が魔女でないなら、その魂は悪魔に売られる。魔女は魔女として処刑される。魔女でない魔女は魔女である魔女の前に倒れ、魔女である魔女は魔女である魔女の前に倒れる。そして魔女は魔女として処刑される。そして、魔女として告発され、処刑される者たちがいた。そんな噂が流れていた。しかし、私は普通の高校生である。流れた噂は、私が魔女として処刑されるというものだった。それで、私は先生に 「泣くな 」と言われた。先生は、魔法修行は家でやれと言った。ところが、私が帰ろうとすると、クラスメートの一人が声をかけてきた。「がんばれ、ハア……!」 このクラスメイトは最悪だった。彼の名前は富野。クラスの学級委員長だった。だから、声をかけられてもおかしくはなかった。「うわ~。宇和~…」 「がんばれ。トレーニングも手伝うよ」 しかし、富野は何の感謝も示さなかった。ただ、私の頭をなでて、「頑張ってね 」と言っただけだった。彼は私を助けようともしなかった。