交差点に面したカフェの窓から、一人の女がギラギラと輝く日差しの元…

交差点に面したカフェの窓から、一人の女がギラギラと輝く日差しの元を往来する人々の様子を眺めていた。店内に空調はないが、乾燥している気候のために、室内に入れば体感温度はだいぶ下がる。観光客なのか、好奇心を隠すことをせずに、クルクルと辺りを見回しながら歩く人々。そうした人々に少しずつ擦り寄りながら、所持品を見定めている様子の幾人か。通学路、あるいは通勤路なのであろう、周囲を気にせることもせずに迷いなく歩を進める人々。時々背中をのけぞらし、笑いながら歩く若者連れ。汗を拭いながら、往来する人々に何かを必死に訴えている様子の道路の向こう側の青年たち。座り込んで食べ物を乞う、薄汚い衣服を纏った人々。観察していると飽きることがないくらい、様々な種類の人々が集う街。それは女が元いた場所のそれとは少し異なる。これからやるべきことを頭の中で整理しながら、もうほとんど冷え切っている液体の入っているカップをおもむろにスプーンでぐるぐると回しながら考えを巡らす。

「そうだね。私も今日来ようと思ったんです』。気がつけば、この町が好きになって10年。ある意味、この町を訪れるのは初めてだが、町に来たことのない少女は、さすがにここから離れられないと感じた。これまでも学校や図書館など、この町の有名な観光スポットは見てきたし、町の人たちにも興味津々だった。ここに来て、ここに留まると決めたのは今回が初めてだ。何も考えずにここから去ることはできない。ずっとここにいることも可能だが、良い印象を持ってここに来たい。この町の人たちの動きを見てみたい、と。初めて来たのに、この町には特別な安心感がある。そう思っていると、通りの向こう側から足音が聞こえてくる。どこかへ行く人の足音だ。その人物は少しゆっくり歩きながら、ゆっくりと少女に近づいてくる。彼女は音のする反対方向に顔を向ける。その人物は早足で左側を歩いている。おそらく少女と同じ学校の生徒だろう。その瞬間、カフェにいた全員が立ち上がり、やってきた人物を見つめる

Photo by Alf Igel

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