魔力の根源、それは、習慣や行動、ちょっとしたきっかけなど、魔法使い自身の魔力を生み出す為の特定の条件である。そしてその根源が分からないままはや十二年……私、カルディア・アインハルトは、占い学の先生、グレゴリオ・メギストス先生に泣きついている。「何よぉ、また来たのぉ?占いは所詮占いよぉ?」ドラゴン型の刺青が入ったスキンヘッドという非常にロックな髪型をしたグレゴリオ先生は、中年女性のような声色で、物腰柔らかにそう言った。「もう一度お願い致します!私の魔力の根源を占って下さい!」100コルト札を机に叩きつけ、目に涙を溜め、改めてお願いする。「でもねぇ、数秘術とか占星術とか根本的なやつがハズレだったんだし、あとはヤマカンかくじ引きみたいな占いしかないわよぉ?あたしだって的中率高い訳じゃないんだからそんな事にお小遣いすり減らさなくても……」「もうポーション飲みながら授業に参加するのはイヤですわ!背後からヒソヒソされる辛さが先生に分かって!?どうか何卒お願い致します!」「……しょうがないわねぇ、ちょっとリスク高いやつ使ってみようかしら?」と、グレゴリオ先生が豪奢な机の引き出しから小さな水晶玉を取り出す。「水晶占い……!初めて見ますわ」「ついでで見ちゃいけないものが見える可能性があるからあたしらみたいな雑魚占い師には本来タブーなのよ。それでもいつかはと思って持ってたの、ホコリ被らしとくなら使うべきよね」水晶を左手でもちあげ、右手の指をひらひらと動かしながら集中し始めるグレゴリオ先生。「あ……ありがとうございます……」「当たってから言いなさいな」凛とした声だった。水晶が白く曇り始める。
もう少しプロらしく 次の数分後には、グレゴリオ・メギストスが私に魔法をかけてくれることになっていた。今回は、グレゴリオの魔法を秘密にしておくように気をつけよう!お願いだ!今度こそお願いだ!お願いだ!もう我慢できない!お願いだ!お願いだ お願いだ!お願い!」 悪い考えだとわかっていた。今まで誰にも助けを求めたことがなかったし、誰にも何も話したことがなかった。グレゴリオはきっと、私が緊張しすぎていると言い訳して、呪文をひとつも唱えないだろうと思った。そのかわり彼は、まるでスポーツ競技の観客のように、少しあざ笑うような表情で私を見て、「君をもう少しリラックスさせてあげよう」と言って、私に呪文をかけ始めた。それは強力なだけでなく、かなり効果的だった。しかし、そのあと私はどうすればよかったのだろう?見当もつかなかった。でも、これが彼の助けを得る唯一のチャンスだとわかっていた。何かしなければ、先に進めない。背後で何かが動いた気がして振り返ると、グレゴリオの顔を見て驚いた。彼はブランデーの瓶を持って立っていた。そして私に微笑みかけていた!どうやら、私は自分のしていることを理解していたようだ。何?私はまだ声を震わせて言った