流れ行く車窓の景色を眺めたり車両内を駆けずり回ったりしてはや数十分、私は焦り始めていた。「私は!私はなんてことを!行先不明!システム不明!運転手もいない!こんな意味不明な電車にその場の空気感だけで乗ってしまいましたわ〜!」「今更そんな騒ぐなよ俺まで不安になってきただろうが」そう言うタイヨウ君は、これだけが頼りとばかりにカメラを両手で握りしめ、不安げな表情を浮かべていた。何より不安なのが、もう数十分経つのに次の駅に停車しない。自分達以外の乗客もいない。運転席は空っぽでハンドルはすっぽ抜けたように存在していなかった。当然アナウンスもない。それでも電車はどこかへ向けて走り続けている。不安要素しかない。
「どこへ行くわけでもないし!情報をください!」。 その時、窓から声がした。 「はい、お名前は? 思いがけない声だった。泰葉が窓を開けて外を見ると、ちょうど事務所から出てきた車掌の声だった。 「私は車掌です」と私は言った。 「あまり時間がないんだ。 「もし時間があれば、事故の状況を教えてください」と私は頼んだ。 「事故?何が起きたのですか? 「ハイウェイの真ん中に電車があって、その電車が別の電車と突然衝突して、ハイウェイの真ん中に電車の車両が山積みになっているんです」。 「なるほど」と私は言った。 「線路には誰もいないし、道路に散乱した車両が見える。まるでディザスター映画のワンシーンのようだ。 「まだ始まったばかりだよ」と私は言った。 「ほんの始まり? 「そうだよ。穴に入った車両は撤去され、高速道路は修復される必要がある。車両はすでに線路上にある。まだ始まったばかりです」と私は言った。 「それから」と私は尋ねた。 「知らないよ。私は何も知りません」。ここに来て確認するように言われました」と私は言った。