「君の願いを叶えてやろう!

「君の願いを叶えてやろう!僕の手を取れ!」それが、彼、オリヒコ・ラクセイインの決まり文句だった。彼は、今年のハロウィン魔法学園の新入生達の中でも目立って奇行が多かった。会ったばかりの同級生達に次々と話しかけては決まり文句を言い、魔法を発動したが、その真意が相手の本性を探る事にあると知れ渡ってからは、「性格診断の人」とあだ名をつけられ、基本的に避けられるようになった。それが、彼の学園デビュー失敗までの軌跡である。というのも、彼の持つ「使用者に合った魔道具に変身する魔法」は、一見無害なようで人の神経を逆撫でする事の多い魔法だったのだ。たとえば平和主義を謳うセイジン・ヤーデに手を取らせた時はいかめしい見た目の機関銃に変わり、見た目なんて気にしないとあっけらかんとした態度のサバサ・バナコに手を取らせた時は実物より美しく映る鏡に変身してしまい、機嫌を損ねさせた。

[落伍者だらけの学校で、織彦楽性院が頭角を現したのは奇跡だ。 最後まで本心を明かさない生徒。ユーモアのセンスを失わない生徒であるため、奇妙な出会いが多い。学校内だけでなく、学校の枠を超えたマジックに対する独特の責任感を持つ生徒。年生の中では頭脳明晰な部類に入るが、よくバカと言われる生徒。常に人の一歩先を行くように変化し、進化し続ける学生である。マジックアカデミーの新人の中では、ある意味一番の難関校生である。 そんな彼の人生が大きく変わったのは、生徒会副会長に任命され、今年の1年生代表になってからだ。織彦楽性院が彼の本当の強さを理解したのはその時だった。 実は、矢出誠人と出会わなければ、今のような出会いはなかったのだ。 [今年のハロウィン・マジック・アカデミーの新入生だった頃、織彦楽性院が本気で片想いしていた少女が聖人弥出である。彼は1年生だった。 [クラスメイトだった。 [星人ヤデは2年生だった

Photo by pameladrew212

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