フグに恋をした
何歳か言い当てるのが難しいから、4歳、5歳、6歳、それから8歳、9歳、そして10歳というのが精一杯だった。 でも、5歳のときよりも、今のほうが少し年をとっていると思う。 死ぬのが怖くて、世界で一人になるのが怖くて、悲しいと感じるのも怖くて、自分の感情がよくわからなくなっていた。 でも、信じられないくらい大変な時期だったと思う。 将来が怖かったと思うし、いろんなことが怖かったと思う。 怖かったと思う。 体が縮んだり、顔が大きくなったり、歯が生えたり、手足が生えたり、腕が生えたり、足が生えたり、頭の形が変わったり、目の形が変わったりするのが怖かった。 父はいつも、未来に怯えるな、起こることを恐れるなと言っていたと思う。 それは僕にとって本当に大切なことだったと思う。 みんな死ぬんだから。 そう、みんな死ぬんだ。 それは怖いことだと思う。