本日来なかったので

本日来なかったので

もう一つは、第1章に登場したものだ。 「……デーモンを生で見るのは初めてです」。 「……生身のデーモンを見るのは初めてです」。 「君に言いたいことがあるんだ」。 横で会話をしていると、呪文を唱えている最中のデーモンが緊張し始めた。 「どうしたの?教えてよ」。 「ちゃんと聞いたら教えるから」。 自分の位置に座っていたデーモン。 美しい容貌だった。 小さな腰、普通の人間とは思えない形の腰、ほっそりとした体。 彼はデーモンだ。 人間じゃない。 「お前に見られるのが怖いんじゃない」。 悪魔は下を向いたまま何かをつぶやき始めた。 「そんなんじゃないよ。君が魔物だから驚いたんだ」。 「もし私が悪魔なら、とっくにあなたに殺されていますよ」。 「そんなことはない。あなたはまだ人間だから、怖くない」。 「……」 デーモンは何かをつぶやきながら下を向いていた。 そうこうしているうちに、祭壇の中央に置かれた『魔石』の前にいた魔物が、ゆっくりと体を起こし始めた。 「……」 「……」 自分の体を持ち上げている魔物は、もうすぐ死ぬ魔物である。 それと同時に、祭壇の中央に置かれた「魔石」の前にいた悪魔が動き出した。

Photo by LAFD

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