その夜。

その夜。「え!?ベガちゃん魁星(メトシェラ)目指すの!?」私の寮部屋のルームメイト、エソラ・ドローイングが驚きの声を上げる。「ええ、最近の固有魔法トレーニングが功を奏しまして、魁星(メトシェラ)も夢じゃない魔力量が手に入りましたの」「えぇ〜、どれだけ魔法使ったの?」「何十回も使いましたわよ……それより……」「それより?」「この話をした時、オリヒコが何故だが少し怒っていたような気がするのですよね。どうしてかしら?」「そりゃー、性格診断の人は嫌われてるからね!あの魔法あんまり使えてないんじゃない?」「あ……」「それかベガちゃんと同じくらい使ってるのに基礎量そこまで伸びてないとか?あれって個人差あるからね〜」「……」そうか、彼も魁星(メトシェラ)になりたいのかもしれない。魁星(メトシェラ)になるメリットは、有名になって、名前が後世まで知れ渡るという事しかない。編み出した魔法が優れたものであればあらゆる所でもてはやされるが、そういう訳ではない者には特に得るメリットのない地位だ。それでも試験を受けようとする者は一定数存在し、その誰もが自分の存在を後世に残す事を夢見ている。それは私も、そしてオリヒコも、きっとそうなのだろう。当たり前ではある。何故なら、固有魔法は遺伝せず、術式も解析出来ないものが多く、なかなか普及させる事の出来ない、持ち主の魔法使いが死ねば失伝する花火のような存在なのだ。だから代わりに、自分の名前を呪文に混ぜた魔法を世に残す。それが魁星(メトシェラ)なのだ。

その使い方を知らない人たちに。この世から生み出された魔法に関する私の経験では、その公式が二度と使われることはない可能性が高いとしか予想できない。従って、それを使う者の中には、いつの時代にも記憶される数人が残るに違いない。彼らは何世代にもわたって記憶されるだろう。もし私が有名になったとしたら、記憶に残る方法ばかりを考えるだろう。その事実も変えられるかもしれない。 私が何世代にもわたって記憶される必要はない。私が人生で使った魔法……私が生み出した魔法を子孫に知らしめることができる。例えば、私の孫が生まれたとしても、孫と同じように呼ぶことができる。そして、織彦がその公式を使えるようになれば、そう呼べるようになる。こうして未来の魔法が生まれる。こうして私は世界を変えることができる。魔法のない世界だ。私のことを覚えていてくれる人はいない。覚えてもらえなければ、名前を持っている意味がない。それでも、私は生き続ける。そして、もしその世界に戻りたくなったら、戻ることができる。なぜなら、私は過去の魔術師の子孫だからだ。そして今日ここに来たことで、太陽の暖かさを顔に感じることができた。その魔法は太陽の魔法と呼ばれているが、一般的な太陽の魔法とは少し違う

Photo by Majiscup Paper Cup 紙コップ美術館

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