日本では、家事・育児などの家庭内無償労働負担が女性に偏っているた…

日本では、家事・育児などの家庭内無償労働負担が女性に偏っているため、他の先進国に比べて、女性がキャリアの継続と家族形成を両立することが難しい状況にある。こうした状況は、社会全体でみると、女性の有償労働参加の抑制や出生率の低下につながっている。  女性への無償労働負担の偏りが解消されるためには、家事・育児負担が著しく増加する子どもの出生のタイミングでの男性の家事・育児の習慣化がカギとなる。

この研究で研究チームは、男性の性別役割規範と社会規範が、男女の無報酬労働への意欲に果たす役割を調べた。その結果、日本人男性では、無報酬労働に従事することを強く選好しており、この選好は男性の性別役割規範と強く関連していることが示された。一方、日本人女性においても同じパターンが見られ、女性がアンペイドワークを行うことへの選好は、女性が子どもを産むことへの選好と関連していた。 「この結果は、日本の家族における性別役割分担が、歴史的なジェンダー・ステレオタイプと、出産時や家族形成過程における女性の無報酬労働を支持する社会規範の両方によって形成されてきたことを示唆しています」と大内博士は説明する。「この結果は、日本の家族政策が、女性が家事労働を行うという性別役割選好の持続に寄与することで、日本の家族動態に大きな影響を与えていることも示唆している。 この研究 「Gender Role Preferences and Gender Role Norms Predict Men’s and Women’s Gender-Related Unpaid Labor 」は、Journal of Economic Psychology誌に掲載された。 詳細については、慶應義塾大学経済学部 大内彩(Tel: +81-3-4288-8814, U.S.A.)、ayao@keio.ac.jp

Photo by joepiette2

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