20xx年。日本は南北朝時代以来初めてとなる大分裂の渦中にあった。現代人の行き過ぎた睡眠不足により健康的な睡眠を教義とした過激な宗教が立ち上がってしまったのである。「スヤスヤ教」と「オフトゥン教」である。両者は元々一つの「睡眠大絶賛教」であったが、些細な考え方の違いによりどちらがより良い睡眠を取れるかという言い争いになり、分裂してしまった。
スリーピー・スリーパー」は睡眠が健康に役立つと信じ、「オフ・チューナー」は睡眠は病気だと信じている。どちらの宗教も東京では盛んだが、「スリーピー・スリーパーズ」の方が数が多く、過眠が叫ばれる今日、勢力を拡大している。 「睡魔とは、日が昇るまで起きていて、日が沈むまで眠ること。 「‥オフトゥンとは、日が沈むまで起きていて、日が昇るまで眠りに戻ることである。 「健康増進のためには、どちらも実践すべきである。 しかし、「スリーピー・スリーパー」たちは「オフトゥン」教を好まない。オフトゥンは月が昇れば太陽が昇ると信じている。月とは何か? 「月が昇ると太陽が昇る。 「多くの文化において、月は生命の源であるが、それは神話や迷信にすぎない。 「月はすべての源である。 「太陽は精霊であり、自然界の一部ではない。 太陽と月は別個の存在ではなく、「霊 」を介してつながっている。 私が「眠り」のトランス状態でないのは「月」のせいであり、「オフ・チューン」を聴きたい気分なので、「オフ・チューン」がどんなものか見てみることにした。 「‥‥このオフ・チューンはあなたのものではない。