カーテンの隙間から朝日が差し込む。遠くで自動車の走る音、ランニングする人の足音、郵便配達の人が郵便受けを開く音が聞こえる。松村北斗は煎餅布団の中でそれを聞いていた。薄く開いた瞼。目の奥がジンジン痛む。目を閉じると乾燥のせいで生理的な涙が浮かぶが、眠気は来ない。あぁ、今日も寝れなかった。今日一日は使いものにならねぇな。フローリングに反射する朝日を眩しそうに見つめため息を吐く。でも大丈夫。今夜は寝れる。帰宅したら速攻爆睡だ。そして明日取り返す。大丈夫。できるできる。まだできる。何度も自分にいいきかせながらなんとか身体を起こした。
「今日はプレゼントをあげよう”。 私はすでに、緑色の蓋のついたシンプルな木箱を用意していた。寒いので、自分の部屋に置いておくことにした。明日の朝、郵便配達の人に渡すつもりだった。でも、今日渡した方がいいと思ったんだ。私はキッチンに行き、ポットにお湯を入れた。赤ちゃんが目を覚ますのに十分な熱さにしたかったが、手がやけどするほど熱くはなかった。やかんの下に置いた。お湯が沸騰し始め、私はゆっくりと段ボールを上に置いた。お湯を抜き、箱を水の中に置いた。私はため息をついて立ち上がり、時計を見た。寝るまでまだ1時間半ある