軽薄な顔つきで軽薄な行動をする主人が、雀のことだけは本当に気遣っていることに気づいてからひよりは何回も疑問に思った。雀だって主人のことを憎からず思っているはずなのである。それはあくまで、ひより自身の女の勘なのだったが、確信めいた物があった。
「さあ、森に入って少し休みましょう」 彼女たちを待っている間、米の入った籠を抱えた柚葉はすでに定位置についていた。ユイの付き人であるユズハは、いつもカゴを持ち歩いていた。 柚葉のところで寝るときも、ひよりが籠を担いだ。ひよりとゆずはが運んだとしても、かごを運んだのは結衣だった。 親方が時々出かけて帰りが遅いからか、ひよりの嗅覚が鋭いからか、結衣は少し不安になったのだろう。 「外でも寝よう…」 「いいよ…」 休憩時間が近づくにつれ、彼女たちの会話は次第に静かになっていった。まだ3人組ではあったが、会話はかなり静かになった。 地面に横たわり、微かに体を震わせていたひよりが、困ったような表情を浮かべていた。 「ゆりかちゃん。どうしたの?」 同じく横になっていたゆりかが、隣に座っていた結衣に尋ねた。 「どうしたの? 「どうしたの?感じるの?」 「うん…」 結衣はすべてを知っているかのようにうなずいた。彼女は少し違和感を感じていた。 「…ひより…」 「…ゆずは」 「ひよりちゃん、ちょっと疲れてる?」 「いえ、全然。 柚葉の問いに、ひよりは答えた。彼女は本当に疲れているようだったが、少しも疲れているようには感じなかった。太陽がすでに空高く昇っていたからだ。