筆者は「食べられたいほどバッタが大好き」な前野ウルド浩太郎氏。バッタ博士として就職するため、バッタ被害が猛威を振るうアフリカへ飛び立ち、想像を超える異文化と灼熱の砂漠の中で愛するバッタの生態を研究していく。尽きる研究資金。現地人に騙されたと思ったらまた騙される。我が身と考えるととてもではないが耐えられないあまりにハードな日常だ。しかし筆者は底抜けのやってやろう精神でしたたかに前進し、読者は1ページごとに笑いながらその姿に引き込まれてしまう。目の前の困難をどう感じるかは自分次第。それはわかっていてもできることではないが、この本はそれを直接心に伝えてくれる。筆者はとにかくバッタを追いかけ、バッタを前にしての真剣な姿勢がよかった。滞在地でのババ所長の頼れる人格者ぶりと、相棒にしてちゃっかりしているドライバーとのやり取りを通じ、現地でうまく行動するには現地の人が味方にいないとだめなのだとよくわかった。しかし著者の行動力! この道を切り拓いた偉業と失敗と勢いと若さが詰まった一書だったと思う
現地の人々やバッタ医者としての日常生活での体験談を交えながら、著者はアフリカの砂漠を鮮やかに描き出すだけでなく、著者自身の人物像も描き出している。著者の日常が淡々と綴られている。かなり小説的と言えるが、「くだらない」わけではない。このような本を書くのは簡単なことではないと思う。主人公はそれほど有名ではないが、平凡な人物ではない。それほど有名ではない登場人物もたくさんいるが、それでも非常に面白いと思う。著者は彼らについて、まったく異なるスタイルで書いている。著者は自分の仕事と仕事に集中するあまり、彼の人生をとても魅力的なものにしている。著者が自分の人生についてそのように書いていることが特に気に入った。しかし、もしこれが本当に良い本という意味であるならば、失望を感じるべきではないと感じている。人間的な問題を語る本を読むことに反対しているわけではない。他の種の問題を扱った本を読むのも嫌いではない。世界についての本を読むことに反対しているわけでもない。ただひとつ不満なのは、この本では著者がバッタのことを非常に「現実的」な方法で真剣に考えていることだ。私たちは皆、何かをしたいという夢を持っているし、何かを始めなければならないということも理解している。しかし、著者のビジョンは違う。彼にとってこれは探求に他ならず、この探求は簡単に達成できるものではない。