城を囲んでいた林は火に包まれていた。

城を囲んでいた林は火に包まれていた。その炎の中を通りながら、雷がつぶやく。「うーん、派手で良い、80点」火はアリス達に燃え移らなかった。その代わり……。「HPが1ずつ削られていく感じがする……」鳴がそう言っていた。しばらく歩いて、燃え盛る林を抜け、城門までたどり着いた。しかし、鍵も何も見当たらないのに、城門は開かない。「ここは通さないよ〜」頭上から声がした。見上げると、城門には銅像のような顔がついていて、それが喋っていた。「私のなぞなぞに答えられたら開けてやろう」「いいから開けろ!」「開ーけーろ!」雷と鳴が城門を殴る。「ふはははかゆいかゆい!」「アリス」開かないと分かるとすぐに雷と鳴がこっちへ振り向いた。仕方がない。ガシャン!「うぎっ……」力づくで開けると、城門はあっさりと開いた。「馬鹿……な……堅牢と呼ばれた……この私が……」狼狽える城門を後にして、アリス達は進んでいった。「確か城とは逆方向に人里っぽいのあったよね」「行ってみようか」\"人里\"は草原の中に出来た一本道を進んだ先にあった。近くに来てみると、その人里は、とても広く大きく、賑わっていた。明らかに村や小さな町という規模ではなかった。「都市だね」入り口には看板が立っている。「ラダマンテュス」見慣れない言語だったけど、そう書かれているのが分かった。「とりあえず仕事と宿屋を見つけなきゃ」アリスがそう言うと。「仕事と言えばギルド!ギルドといえば酒場!」と、雷が一人走り出した。そしてワイングラスが描かれた看板を指さして立ち止まり、その店へ入っていった。アリスと鳴も追いかけて店に入った。雷は、すでに先客のいるテーブルに座っていた。「ウェーイ!かんぱーい!」先客と盃をぶつけ合う雷に駆け寄る。「こら!他のお客さんに迷惑かけないの!」「私達は構わないよ!」先客の小洒落た格好をした男の人がそう言ってお酒をグビグビ飲んだ。「ようこそ、いかれた酒盛りへ、参加していきなよ、お嬢さん方、おごるよ?」「参加してみようか」鳴が言った。「やめとこうよ」そう言ってみたものの、鳴は構わず席についた。

町ほどの小さな村があった。城壁は石造りで、村には大きな石造りの家があった。壁も石でできており、各家には大きな平らな石の暖炉があった。村と違っていたのは、中心部へと続く一本の道と、その外に大きな噴水があったことくらいだ。村の周りも森に囲まれていたが、森の種類はこれまで見た中で唯一だった。そこにある木は、森の中の森に点在しているのと同じ大木だけだった。他にも木はあったが、一般的な木とは色が違っていた。森には、以前出会った大木を含め、数え切れないほどの木々が生い茂っていた。どれもとても大きな木で、石か木でできているように見えた。石でできているように見えたが、松葉のような硬い木のようだった。そのような木は他に数本しかなく、どれも小さく、前に見た小さな木よりもさらに小さいものもあった。森には岩もたくさんあった。しかし、この森は人間が作ったもので、自然が作ったものには見えなかった。どうやら人間が作った森のようだった。森に入ると、火のような赤い大きな岩がいくつかあった。

Photo by cseeman

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