誰かの心臓になれたなら。

誰かの心臓になれたなら。そうだったら、君は死ななかったのかもしれない。僕のために、心臓病を持った僕のために。こんな、何の価値もない死にたがりの僕なんかのために。君は、僕に心臓をくれた。

「僕には名前すらないんだ」 彼は話し始めたところで、彼女に遮られた。 「私がここにいるのは、女の子だからじゃない。心臓が悪くて、死にそうだったから。私がここにいるのは、私が女の子だから、心臓病の女の子だから、心臓病だから。そして、あのクソガキのホモが私の心臓を奪うと言ったから、私はここにいるの」。 彼は何も言わなかったので、彼女は続けた。 「もうたくさん。あなたとこのまま一緒に暮らしたくなかったし、あなたの容姿を気にしない人たちがいる場所に行きたかった。そして、私はあなたの目の前で死んでいた。死ぬ間際、誰かが私の胸にナイフを突き刺したようだった。 彼女は深呼吸をして、嗚咽し始めた。 「あなたは、私の手を取って、あなたがホモであり続けることができる場所に私を連れ戻すと言った。私はもうあなたのゲームに付き合うつもりはなかった。クソみたいな死に方はしたくなかった。ホモになるつもりもなかったし、あんたみたいに死ぬつもりもなかった」。 彼は何も答えなかった。瞬きもしなかった。 彼女は振り返って去ろうとした。 「そして私は泣き出した。あなたは、私が会ったこともないような、このファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックファックで私を見つめていた。目の前で私が死んでいるみたいで、あなたは私を見つめていて、『だから言ったでしょ』って感じだった。あなたはただ私を見つめていた。

Photo by Thomas Altfather Good

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