本論文は、戦争の終わらせ方について述べるものである。これまで、歴史上様々な戦争が起こってきたが、終わらない戦争というものはほとんどない。なぜなら、戦争には多くの場合、戦う理由があり、一方の目的が達成されればそれ以上戦う理由はないからである。戦争は続ければ続けるほど軍事的にも経済的にも消耗するので、どこかで終わらせる必要がある。つまり、戦争を考えることはすなわち、「戦争の終わり方」を考えることだといえる。
戦争には2つの終わり方がある。ひとつは単に勝つこと。もうひとつは、どちらか一方をあきらめることで戦争を終わらせ、戦争が自力で終結できるような方法を見つけることである。戦争は負けることで終結させることができるが、敗者が勝つことができない場合はそうはならない。戦争を終わらせるには、戦争を続ける理由がなければならない。戦争に理由を与えるのは政府の仕事である。平和を愛する国民だからこそ、戦争の理由が必要なのだ。現代社会では、戦争は平和よりも価値が低いとも言えるが、昔は戦争は生きるための手段だった。戦い方が生き方だったからだ。だからこそ、過去の戦争は戦争として戦われたのだ。もし戦争が戦争として戦われなかったら、それはまったく戦われることができなかった。 戦争は、ある理由のために行われることもあれば、別の理由のために行われることもある。一つの理由であれば、それは勝利のために行われた。戦争が行われた理由は通常、ある領土を征服するため、あるいは守るためであった。最初は領土が小さく、守る必要がなかったため、拡大のために戦争が行われた。他国が恐怖や憎しみの状態にあったため、拡大のために戦うことで、他国をより恐れさせ、自分たちに対して行動する意欲を失わせることができたからだ。ひとたび敵を征服すれば、その敵を自国に有利なように利用することができる