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1970年代後半、英国の研究者ロバート・O・アンダーソン博士が驚くべき生物現象を発見した。彼は一連の実験でスライムの一種を単離し、それを 「脳のスライム 」と名付けた。このスライムは実験室では繁殖しなかった。アンダーソンの発見は科学界に衝撃を与えただけではない。脳に対する世界の見方を一変させる、一連の科学的発見につながったのである。 ブレイン・スライムとは、脳血管系で発見されたスライムの一種である。透明で粘性のあるスライムで、微小管のネットワークでできている。微小管は長い円筒状の管で、脳内の細胞間結合（ニューロン、神経細胞、ミエリンの結合）のほとんどすべてを構成している。脳のスライムは、脳のような複雑な三次元構造を形成する能力を持っている。被験者の体を三次元的に切断すると、スライムが三次元的に類似した細管のネットワークを形成しているのがわかる。 スライムの三次元構造は、血液に色素を注入することで見ることができる。被験者に色素を注射すると、脳の表面に脳スライムの像が現れる。脳スライムは、脳に浸透する特殊な染料（ニューロンチンと呼ばれる）を注射しても見ることができる。神経毒性物質はスライムを破壊することができ、これらの物質は血液によって運ばれる