『…恋愛したいなぁ』「…突然ですね」相変わらず表情も変えなければ声…

『…恋愛したいなぁ』「…突然ですね」相変わらず表情も変えなければ声のトーンも変わらない。一緒に食事をする程度の関係だと言うのに、未だおんりーさんのことはよく分からないままだ。『逆におんりーさんは恋愛したくないんですか?」そう尋ねると、彼は少し考えてから、つぶやいた。「今、してるので」『…え?』おもわず聞き返すと、彼は恥ずかしさを隠すように水筒の水を一気にあおる。『…意外ですね』

小一時間、私は悔しそうに顔をゆがめるおんりーさんを見ていた。最後に彼は、「今、恋をしているんだけど… 」と漏らした。私は言葉を失った。どうやら彼は以前から私に恋をしていたらしい。確かに私はとても魅力的だったけれど、他の女の子とそんなに変わらないように見えたし、ボーイフレンドもいなかった。最初は何とも思わなかった。結局のところ、私は彼に会ったばかりだったし、ここ数カ月彼の友人とも付き合っていた。 私も驚いた。何しろ、私はずっと彼に片思いしていたのだから。しかしそのとき、なぜ彼が私にあれほど腹を立てていたのか、ふと気づいた。 それは、私が彼に興味があるふりをしているだけで、実は彼に恋をしていることを知っていたからだ。私が彼の誘いに応じられないことを知っていたからだ。 私はどうしていいかわからなかった。この時点で恩利さんを好きになって1年以上経っていたが、実際の恋愛として考えたことはなかった。物心ついたときから、『ごめん、おんりーさん。ごめん、行かなきゃ。あそこに買い物に行くんだ』。 どうして? 私はしばらく黙ってから答えた。 だって、あなたを愛しているから、これからもずっと」と私は言った。 彼はさらに一瞬沈黙し、それからこう尋ねた。私は猛スピードの列車にはねられたような気がした

Photo by mococouncilmd

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