「この近くに、多分先生の家があるんだと思う。

「この近くに、多分先生の家があるんだと思う。そこに運ぼう」「なんでそんなこと分かるんだ?」「えっと……『向こうの世界』から、こっちの元の世界に戻る時にはね。その人の私物とか、常に持ってるものが置いてある場所……そこに出られることがあるの」「そうなのか?」 新たな情報に、直人が目を丸くする。「確証がある訳ではないんだけど」と、慌てて冬璃は付け足した。 ということは、保健室でのあの一件で、スマホを保健室に置き去りにしていればそこから戻れたということなのか、と直人は理解し、若干肩を落とした。「できればもう少し早く知りたかったぜ…」「ご、ごめんね…まさかそんな早く、また『向こう』に入るとは思ってなくて…」

嗚呼。やっぱり。電話が置いてあった。ということは、彼は私より先に電話に出ようとしている。ベッドの自分の側にいれば、電話に行きやすいと思ったのだろう。記憶違いでなければ、その人の私物などがいつも置いてある場所は外にあるのだろう。最後にこの検査をしてから、どれくらい経ったのだろう?…でも、ずいぶん前のような気がする。」 「本当にこんなことをする必要があったのか?」 「”本当に私より先に電話への道を見つけなければならなかったの?」 「子供みたいなことを言うようだが「 」いくつになっても自分の身の安全は自分で守るようにしなければならない「 」ということを理解してほしい」 ‗‗それは常にそうあるべきだ。」 ‗‗本当に申し訳ない。” ‗‗誰のせいでもないことは分かっている、 「「電話への道を見つけたことは本当にありがたいことだろうけど」”そろそろ覚悟を決めたほうがよさそうだ

Photo by Office of Governor Healey

この作品の出来はいかがでしたでしょうか。ご判定を投票いただくと幸いです。
 
- 投票結果 -
よい
わるい
お気軽にコメント残して頂ければ、うれしいです。