ベッドの角に小指を思いっきりぶつけた。あまりの痛さにその場で悶絶し、唸り声をあげてしゃがみ込む。そこへ愛猫がしっぽをフリフリしながら楽しそうに近づいてくる。これは非常にまずい。愛猫ましろは下僕である僕の痛がる姿を見て、それを遊びだと思っているのだ。
ましろが枕に鼻を突っ込んで私のところに来る。私たちは抱き合った。私は彼女にやめるように言った。痛いよ。ましろは尻尾を引き寄せ、私の胸の上に横たわる。私の心臓はドキドキしている。頭に血が上る。彼女は嬉しさと悲しみで泣いている。私は不安と痛みで泣いている。 「あなたと遊ぶのはとても痛いわ」 私は言う。 「私はあなたを待っていたのよ。「あなたがここに来るのを待っていたの」 「どうして? 「だって……」と彼女は言いかけたが、私はそれを遮った。「私たちはとても幸せだから。私たちは一緒にいてとても幸せだから。 私はとても幸せだった。同時にとても悲しかった。どうしてこんなことをしたんだろう。どうして真城を泣かせてしまったんだろう。どうして彼女の気持ちを傷つけてしまったんだろう。どうして?私はどんな怪物なんだ? 猫を傷つけるなんて、どんな怪物なんだ?猫は私を愛している。猫は私の友達だ。猫はどこへでもついてくる。どうして?私はましろに悪いことをしたことがない。わからない。もしかして、私が怪物……?もしかして、私がましろを傷つけた怪物なの? 自分が誰なのか分からなくなってしまった。自分が誰なのかわからなくなってしまった