璃帆は刀を振り翳して一瞬目を瞑ったと思ったら、弟子に向かって振り下ろした。弟子は身を翻してかろうじて刀をかわしたと思ったら、おもむろに璃帆に向かって携帯のカメラを向けて動画撮影を始めた。カメラを向けられた璃帆の顔からは、先ほどまでの殺気が消え、カメラ向けの笑顔がこぼれ始めた。
「ごめんなさい 里穂は言った。「私は……私は……私は……私は……私は……私は……」 彼女は数秒後にビデオを撮るのをやめ、手を震わせながら弟子に向き直った。「このことを黙っていてごめんなさい。知らなかったの。本当に、本当に、本当に怖かった…知りたくなかった…誰にも言えなかった…こんなこと…」 「わかってる」 弟子は言った。「怖くてやりたくなかったんでしょ。それでもやったんだ。誇りに思うべきだ。今までで最高のことをしたんだから」。 里穂は微笑んだ。「ありがとう。ありがとう」 「どういたしまして 弟子は言った。 「でも、自分の力の使い方をもっと意識したほうがいいと思うわ」。彼女は言った。「二度とこんなことはしてほしくない。許さないわ。見つけて、このツケを払ってもらうわ」。 「私も許さない。弟子は言った。「でも、それは僕が忍者だからであって、君を殺すわけにはいかないんだ。でも、必要なら殺すよ。たとえ忍者に殺されても