家族の自助力、地域の共助力が低下している現代社会では、育児・介護など従来家族や地域で担ってきた機能を果たせなくなってきている。代わりに、外部化や商品化というしくみで、家族機能・地域機能を補っているが、国に頼ることで国民の税金負担は増え、商品やサービスで代替することは無縁社会市場を急速に拡大させる。また拝金主義・お金至上主義を助長させ、さらなる地域の共助力低下につながってしまうという問題がある。この問題を解決するためには、
社会的賃金」(パレート)とは、社会的責任に基づき、地域社会や一般住民に支払われるものである。地域社会の税負担は軽減され、地域社会は政府から補助金を受けなくても、自分たちの必要なことに専念できるようになる。社会的賃金はベーシック・インカムの一形態であるが、その目的は人々に他の人々と同じ尊厳と基本的ニーズを提供することである。 市場とは何か? 市場とは、取引によって双方が利益を得るような取引を行う集団または「人々の集まり」のことである。 市場はそれ自体、本質的に強制的なものではない。市場は、参加者に他者や互いを害するような扱いをさせるものではなく、そうすることを強制するものでもない。実際、市場の誰かが他者から危害を受けたとしても、その危害は取引によって引き起こされたものではなく、取引を行う人々によって引き起こされたものである。 市場とは、取引を行う人々の集団である。 私たちは市場社会に生きている。 このことは、私たちの多くが長い間気づいていたことである。1970年代、ロバート・ブレナーと私は、ハーバート・スペンサーの研究を用いて、経済問題のすべての原因は、私たちが市場社会に住んでいるからだと主張した。 市場について考えるとき、私たちが最初に思い浮かべるのは、市場は売買のためのものだということだ