サントリー山崎との思い出
初めて公共の場に出たのは、自宅の廊下で、トイレに向かうときだった。「でも、それ以外のことはあまり覚えていないんだ。あまり細かいことは思い出したくないんだ。「ただひとつ覚えているのは、そこに2人の男性がいたということ。彼らはただ服を着ていただけだった」。 ニューヨーカー』誌の記事に添えられた写真では、彼は満面の笑みを浮かべているが、あとはぼんやりとしている。「彼らは服を着ていたから、忘れやすかった。とても忘れやすかったのですが、そういうものだったのです。「写真のおかげで、少しは気が楽になりましたけどね」。 数ヵ月後、彼は友人宅の廊下で再び同じ出会いをした。「中に入って、彼らを見たことを覚えている。彼らのことは知らなかった。私はただ歩き回って、一日を楽しんでいた。彼らを見て、『ああ、変だな』と思ったのを覚えている。彼らは公の場に出てきて、私のビルに来るのを見たんだ。私は何も言わなかった。ただ中に戻って、いつものように過ごしたよ。ちょっとおかしな思い出だよ」。 彼は17歳で、この経験は2度目だった。偶然かどうかはわからない。 「わからない。わからない。偶然かもしれない。でもわからない」