「んー。

「んー。……え?私、五歳になっている?」 五歳になっていると思ったのは、五歳の時に使っていた髪留めが置かれているから。コンコン「失礼します。朝のお支度に来ました」「入って」「何色がよろしいでしょうか?」「水色。ねぇ、今はいつ?」「春の一の月です」 全ての者は五歳の誕生日を迎えた後、能力鑑定することが義務付けられている。 その鑑定が全てではなく、成長するにつれて多少変化する。 これからの人生に大きく関わってくる大事な儀式。 私は春の二の月生まれ。つまり、儀式まであと一ヶ月。

「この国に来て半月になる。この式典のことを聞いてから、ずっとここで待っていた。きっと私だけではないはずだ」 「あなただけですか? 「いいえ、私だけではありません。多くの人がここに来た。仕事を探しに来た人たちのことではなく、この国にやって来て、そのまま滞在している人たちのことだ。みんなこの国に来たんだ」。 「連れてきてくれた人?」 「ええ、母と父が他の国で働いていたので、彼らと一緒に暮らすためにここに来ました」 「あなたは今、首都からかなり離れていますね」 「ええ、父と母に会うために都に行く必要があるからですが、もうしばらくここにいるつもりです」。 「本当に?しばらくですね。ご両親に会いに行くのにどこへ行くのですか?」 「首都から」 「ああ、それもよかった。ここに来たのは君だけだから心配だったんだ」。 「両親に会いたくないわけじゃないんだ。ただ、行くところがないんだ。両親が泊まれる場所がないんだ。妹と住んでいる家がある。でも、両親がその家に行ったら、私が面倒を見ることになる。このような場所を見つけるのは本当に難しいです」。 「かなり遠いですね。久しぶりだね。そういう場所を見つけるのは難しい。考えてみれば、能力を使わなくても首都に行く方法は見つかるはずですけどね」 「なるほど。

Photo by Office of Governor Healey

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