痛い。

痛い。赤く腫れた肌が短パンの隙間から顔を出している。涙がほほをつたる。唇を噛みしめる。「大丈夫?」友達の声が聞こえた。僕は痛みのあまりうめき声を上げることしかできない。他の友達が濡れたタオルを持ってきた。タオルを太ももに当てて冷やしてもらう。太ももはさっきよりも腫れ上がっており、内出血もしていた。あのときは立てたのに。先ほどまでは友達とサッカーをしていた。シュートをした瞬間「ブチッ」という筋肉が切れるような音がした。そして私は立ち上がれなくなったのだ。救急車が来た。僕はストレッチャーで運ばれる。

– 友人から血液検査のことを聞きました。結果を知りたいとは思わない。体が痛い。時々涙が出る。涙が止まらない。 今は目が覚めている。24時間泣き続けている。病院で横になっている。頭がズキズキする。何も思い出せない。めまいがして、気分が悪く、感覚が麻痺している。時計を見る。目が覚めたと思う。何も思い出せない。でも、腕は動かせる。喉が渇いた。今にも気を失いそうだ。しばらくうとうとしていた。そして思い出す。 声が聞こえる。英語で話しているのが聞こえる。 「こんにちは、下に誰かいませんか?」 「下に誰かいませんか?」 「下に誰かいませんか?」 「大丈夫ですか?」 「誰か…」 「…誰か…」 「車に乗れるか?」 「あのドアを通れるか?」 「…車に入れるか?」 「あのドアを通れる?」 「車に乗れますか?」 「どう思う?」 「…車に乗れると思う?」 「車に乗れますか?」 「車に乗れますか? 「…車に乗れますか?」 「車に乗れると思う?」 「乗りたくない。とても怖いの。 まだ病院にいる。声が聞こえる。イタリア語で話しているのが聞こえる。ベッドから起き上がり、トイレに行く。バスタブには赤い液体が溜まっている。私はそれをこすり落とした。顔と手と首を洗う。髪を洗う。髪を乾かし、服を着替える。それから服を着替える

Photo by byronv2

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