俺は堕天使、名前はヤード。天界から追放されて、人間界に降り立った。理由は簡単、仏様の分の酒を未成年なのに勝手に飲んでしまったからだ。天界ではもちろん叱られたけど、あいつらの堅苦しいルールにはもう飽き飽きだった。人間界に来てからは、普通の学生として暮らすつもりだった。でも、学校は何かとトラブルやハラスメント、いじめが絶えなくて、俺には合わなかった。退屈な毎日に嫌気がさして、つい行きたくなくなった。だから、俺は不登校になった。代わりに、夜の街、歌舞伎町をふらつくことにした。そこで俺は、タバコやお酒に手を出し、自由気ままに過ごしている。もちろん未成年だけど、そんなこと気にしない。俺にとっては、もう天界のしがらみや学校のくだらなさから解放された、自由の場所だった。だけど、夜の闇の中には危険もいっぱいだ。俺は何を見て、何を感じながらこの街をさまよっているのか…。
近くのバーを見つけて飲み始めた。ほろ酔いだったが、気にしなかった。ただ美味しかった。まだ気分が落ち込んでいたので、トイレに行くことにした。しかし、通りを歩いていると、何かが違う。何か悪いことが起きていた。それははっきりと見えた。スーツを着てネクタイを締めた男の顔だった。彼は女の子と取引をしていた。どんな取引かは知らないが、悪い取引に見えた。彼は少女の襟首をつかみ、地面に投げつけた。彼はスーツのポケットに手を突っ込んだまま、できるだけ早くその場を立ち去った。少女は悲鳴を上げて逃げようとしたが、男は首根っこをつかみ、意識を失うまで圧迫した。私はその場に立ち尽くしながら、「これを見たい 」と思った。その男は少女とビジネス上の取引をしていて、彼女に金を払おうとしているように見えた。その 「ビジネス 」が何なのか見たかった。どんな人がこの取引に応じたのかも見たかったが、あえて見ようとはしなかった。少女の友人たちが、その場から立ち去るよう私に怒鳴り始めた。予想もしていなかったことだったので、私は激怒した。ただ逃げ出したかった。その場を去ろうとしたとき、一人の男が私の肩をつかんで言った。少女の友人は間違っている。彼女は誘拐されたんじゃない。彼女は誘拐を偽装したんだ」。私はショックを受けた。私はまだ酔っていたが、少女には手を出していなかった。私は混乱した。