俺は堕天使、名前はヤード。天界から追放されて、人間界に降り立った。理由は簡単、仏様の分の酒を未成年なのに勝手に飲んでしまったからだ。天界ではもちろん叱られたけど、あいつらの堅苦しいルールにはもう飽き飽きだった。人間界に来てからは、普通の学生として暮らすつもりだった。でも、学校は何かとトラブルやハラスメント、いじめが絶えなくて、俺には合わなかった。退屈な毎日に嫌気がさして、つい行きたくなくなった。だから、俺は不登校になった。代わりに、夜の街、歌舞伎町をふらつくことにした。そこで俺は、タバコやお酒に手を出し、自由気ままに過ごしている。もちろん未成年だけど、そんなこと気にしない。俺にとっては、もう天界のしがらみや学校のくだらなさから解放された、自由の場所だった。だけど、夜の闇の中には危険もいっぱいだ。俺は何を見て、何を感じながらこの街をさまよっているのか…。
怖くないの?タバコを一服吸いながら、私はそう思った。しかし、この先に何が待っているのか、私は予感していた。煙草の煙は、私が抱えている大きな雲のように天に向かって流れていった。煙が消えたとき、私は夜の間に見たのと同じ場所を見た。そこは満天の星空で、人の姿はどこにも見えなかった。 そのとき、老人のローブを着た男が呼ぶ声が聞こえた。 「よう、ヤード!」 その男は、私が歌舞伎町に来たときから一緒に住んでいる歌舞伎町の住人のひとりだった。定年退職した学校の先生で、私にタバコと酒を紹介してくれた人だった。 「どうした?大丈夫? 「大丈夫だよ。ちょっと疲れただけだ」。 彼は普通の男のようだったが、私より少し年上だった。彼は白いコートに黒い蝶ネクタイをしていた。夕方、彼はいつも黒いジーンズに黒いTシャツを着ていた。 「前の晩で疲れているだろうと思ってね。だから休んだ方がいい。しばらく外に出なかったんだから、寝ていた部屋に戻ったほうがいい」。 「ああ、そう思っていたよ。本当に疲れているんだ」。 「わかった。よかったら一緒に休もうか? 「ありがとう」。 その言葉が心に響くか心配だったが、彼はまったく気にしていないようだった。しかし、私は誰もいない通りを見回しながら、「もしここが天国なら、私は心配だ」と思った。